相続の戸籍集めが便利に?2024年開始の「戸籍の広域交付制度」を解説
2026/08/06
本籍地が遠くても、近くの市区町村で戸籍を取れるようになりました
こんにちは。厚木市の千々和行政書士事務所です。
相続手続きを始めると、多くの場合に必要になるのが戸籍の収集です。
亡くなった方の相続人を確認するため、出生から死亡までの戸籍をたどっていくことがありますが、転籍を繰り返していると、本籍地の市区町村ごとに戸籍を請求しなければならず、以前はかなり手間のかかる作業でした。
この負担を軽くするため、2024年3月1日から「戸籍証明書等の広域交付」が始まっています。
広域交付を利用すると、本籍地ではない市区町村の窓口でも、対象となる戸籍証明書を請求できます。複数の市区町村に本籍が移っている場合でも、1か所の窓口でまとめて請求できるようになりました。
以前は本籍地ごとに戸籍を請求する必要がありました
例えば、亡くなった親御様が、
厚木市
↓
横浜市
↓
東京都内
↓
別の市区町村
と本籍を移していたとします。
従来は、それぞれの本籍地へ窓口や郵送で請求し、取得した戸籍からさらに前の本籍地を確認して、また次の市区町村へ請求するという作業が必要でした。
現在は広域交付を利用することで、対象となる戸籍であれば、最寄りの市区町村の窓口から他の市区町村の戸籍もまとめて請求できます。
相続で出生から死亡までの戸籍をそろえる場面では、かなり便利になった制度です。
誰の戸籍でも取れるわけではありません
ここは特に注意したいところです。
広域交付で請求できるのは、
- 本人
- 配偶者
- 父母・祖父母などの直系尊属
- 子・孫などの直系卑属
の戸籍証明書等です。
つまり、兄弟姉妹の戸籍を、兄弟姉妹という関係だけを理由に広域交付で取得することはできません。
相続人が兄弟姉妹や甥・姪になる相続では、広域交付だけで必要な戸籍がすべて揃うとは限らないため注意が必要です。
代理人に頼んで広域交付を利用することもできません
通常の戸籍請求では、委任状を使って代理人へ取得を依頼できる場合があります。
しかし、広域交付については扱いが異なります。
広域交付は、請求できる本人等が市区町村の窓口へ直接出向いて請求する必要があり、郵送や代理人による請求はできません。
窓口では、マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど、顔写真付きの本人確認書類も必要です。
行政書士へ相続手続や戸籍収集を依頼する場合も、行政書士が依頼者の代理人としてこの広域交付制度を利用するわけではありません。受任した業務に必要な戸籍については、職務上請求など別の適法な方法で収集を進めることがあります。
広域交付で取れない戸籍や証明書もあります
「全国の戸籍が何でも近くの役所で取れる」という制度でもありません。
厚木市では、広域交付の対象として、戸籍・改製原戸籍・除籍の**謄本(全部事項証明書)**を案内しています。
一方で、例えば次のものは広域交付の対象外です。
- 戸籍・除籍等の抄本
- 戸籍の附票
- 身分証明書
- 独身証明書
- コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍
必要な証明書によっては、これまでどおり本籍地の市区町村へ請求しなければならない場合があります。
厚木市でも広域交付を利用できます
厚木市にお住まいの方も、厚木市外に本籍がある戸籍について広域交付を利用できます。
厚木市では現在、本庁舎の市民課窓口のほか、各地区市民センター、本厚木駅・愛甲石田駅・保健福祉センターの各連絡所でも広域交付を取り扱っています。
受付・交付可能時間は平日の午前9時から午後5時までです。
ただし、市外の戸籍を戸籍情報連携システムで検索・照会するため、請求内容によっては時間がかかることがあります。
厚木市も、本籍地への確認が必要となり、長時間待つ場合や当日中に交付できない場合があると案内しています。相続用に何代もさかのぼって戸籍を取得する場合は、時間に余裕を持って窓口へ行く方がよいでしょう。
広域交付ができても「どの戸籍が必要か」は別の問題です
広域交付によって戸籍そのものは集めやすくなりました。
ただ、相続では、
「亡くなった人の戸籍はどこまで必要なのか」
「この戸籍の次は何を取ればいいのか」
「相続人はこれで全員確認できているのか」
という部分で迷うことがあります。
特に、離婚・再婚、養子縁組、転籍などがある場合や、兄弟姉妹・甥姪が相続人になる場合には、戸籍のつながりを確認しながら収集する必要があります。
制度が便利になったとはいえ、「戸籍を取得する作業」と「戸籍から相続人を確定していく作業」は別と考えておくと分かりやすいでしょう。
相続の戸籍収集で迷ったら、まず必要な範囲を整理しましょう
戸籍の広域交付制度は、2024年に始まった相続手続にも便利な制度です。
特に、亡くなった方が何度か転籍している場合でも、対象となる戸籍を最寄りの市区町村でまとめて請求できるようになったのは大きな変更です。
一方で、兄弟姉妹の戸籍や戸籍の附票などは広域交付の対象にならず、代理人による利用もできません。
千々和行政書士事務所では、厚木市周辺の相続について、戸籍収集や相続人調査、法定相続情報一覧図の作成などをサポートしています。
「自分で途中まで戸籍を集めたけれど、これで全部なのか分からない」という段階からでも、現在集まっている戸籍を確認しながら整理できます🌿
よくあるご質問
Q1.亡くなった親の出生から死亡までの戸籍を、厚木市役所でまとめて取れますか?
広域交付の対象となる戸籍であれば、亡くなった親御様の本籍地が厚木市以外でも、厚木市の窓口から請求できます。ただし、コンピュータ化されていない一部の戸籍など、広域交付できないものもあります。
Q2.兄が亡くなった場合、妹が広域交付で兄の戸籍を集められますか?
兄弟姉妹は、兄弟姉妹という関係だけでは広域交付の請求対象になりません。広域交付は本人・配偶者・直系尊属・直系卑属に限定されています。
Q3.行政書士に委任状を書けば、広域交付で戸籍を取ってもらえますか?
広域交付そのものは代理人による請求ができません。行政書士が相続業務として戸籍収集を受任する場合は、職務上請求など広域交付とは別の方法を利用することがあります。
Q4.広域交付なら戸籍の附票も取れますか?
取れません。厚木市では、戸籍の附票は広域交付できない証明書として案内されています。
--------------------------------------------------------------------
千々和行政書士事務所
住所:神奈川県厚木市中町4丁目14−1サクセス本厚木ビル5階
電話番号:050-6883-7570
厚木市で相続関連のご相談
厚木市で遺言の作成をサポート
--------------------------------------------------------------------