遺産分割協議書は自分で作れる?作成時の注意点と確認したいこと
2026/08/12
遺産分割協議書は、自分で作成することもできます
こんにちは。千々和行政書士事務所です。
相続人同士で遺産の分け方が決まったあと、「遺産分割協議書も自分たちで作れるのでは?」と考える方もいると思います。
結論からいうと、遺産分割協議書は必ず専門家へ依頼しなければならない書類ではなく、相続人自身で作成することもできます。
法務局も、遺産分割協議書について「当事者が任意に作成する書類」と案内しており、決められた全国共通の用紙があるわけではありません。
ただし、大切なのは書式よりも、相続人が正しく確定していること、相続人全員で合意していること、誰がどの財産を取得するのか明確に書かれていることです。
まず確認したいのは「相続人全員が参加しているか」
遺産分割は、法定相続人全員で行う必要があります。
法務省も、遺産分割を「法律で決められた相続人が全員参加して、相続財産の分け方を決定する手続」と案内しています。
そのため、協議書を作る前に、
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亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を確認する
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前婚の子や養子がいないか確認する
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代襲相続人がいないか確認する
など、相続人を確定しておく必要があります。
「家族はこの3人だけだと思っていた」という認識だけで作成を進めるのは避けた方が安全です。
財産は「どれを誰が取得するか」が分かるように書きます
遺産分割協議書では、単に
「長男が不動産を相続する」
「妻が預金を相続する」
と書くだけでは、後の手続で財産を特定できないことがあります。
例えば不動産なら、登記事項証明書を確認し、所在地や地番、家屋番号などを登記内容に合わせて記載します。
預貯金であれば、
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金融機関名
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支店名
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預金種別
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口座番号
などから、どの口座を指しているのか分かるようにしておくと手続が進めやすくなります。
法務局が公開している遺産分割協議書のサンプルもありますが、これは不動産登記に必要な範囲を示したもので、すべての相続財産にそのまま使える万能なひな型ではないと注意されています。
ネットのひな型をそのまま使うと合わないこともあります
遺産分割協議書のひな型はインターネット上でも簡単に見つかります。
ただ、相続財産の内容は家庭ごとに異なります。
不動産だけの相続と、複数の預貯金・株式・自動車などがある相続では、必要な記載内容も変わります。
また、協議後に新しい財産が見つかった場合にどうするのかまで決めておきたいケースもあります。
ひな型を使う場合でも、文章をそのままコピーするのではなく、実際の相続人と財産に合った内容になっているかを確認することが重要です。
実印や印鑑証明書は必要?
遺産分割協議書そのものには全国一律の決まった書式はありませんが、その後に何の手続へ使用するかによって必要な形式があります。
特に不動産の相続登記では、法務局は遺産分割協議書に相続人全員が実印を押すことや、印鑑証明書を添付する手続を案内しています。
金融機関の相続手続でも、金融機関独自の書類や印鑑証明書を求められる場合があります。
そのため、「協議書として作れたか」だけではなく、この書類を銀行・法務局・証券会社などで実際に使えるかまで考えて作る必要があります。
未成年の相続人がいる場合は要注意です
相続人の中に未成年の子がいる場合も注意が必要です。
例えば、父が亡くなり、母と未成年の子が共同相続人になる場合、母が自分の立場と子の代理人を兼ねて遺産分割協議を行うことは、利益相反になることがあります。
この場合、家庭裁判所へ申し立てて、子のための特別代理人を選任する必要があります。
相続人全員が署名すればよいという単純な話ではないケースもあるため、家族関係に特殊な事情がある場合は、協議書を作る前に確認しておいた方がよいでしょう。
不動産がある場合は、作った後の相続登記も忘れずに
遺産分割協議書を作成して終わりではありません。
不動産を相続する場合は、その内容に基づいて相続登記を進めます。
2024年4月から相続登記が義務化されており、遺産分割によって不動産を取得した場合には、原則として遺産分割が成立した日から3年以内に、その内容に応じた登記を申請する必要があります。
不動産登記の申請自体は司法書士の業務となりますので、協議書を作成するときから、後の登記で使える内容になっているか意識しておくことが大切です。
話し合いがまとまっていない場合は、協議書作成の前の段階です
遺産分割協議書は、相続人の間で決まった内容を書面にするものです。
誰が不動産を取るのか、預金をどう分けるのかについて意見が対立している状態では、まず遺産分割そのものを解決する必要があります。
日本行政書士会連合会も、行政書士が取り扱う相続手続について、法的紛争段階の事案を除き、遺産分割協議書等の作成を行うものと案内しています。
話し合いに争いがある場合には、弁護士への相談が必要になることがあります。
自分で作れる書類だからこそ、内容を確認してから署名しましょう
遺産分割協議書は、自分で作ることができます。
ただ、実務では、
相続人は全員確認できているか
財産に漏れがないか
誰が何を取得するか特定できているか
銀行や相続登記で使える内容になっているか
という点まで確認して初めて、相続手続で使いやすい協議書になります。
千々和行政書士事務所では、厚木市周辺の相続について、戸籍収集や相続人調査、財産目録の作成、相続人間ですでに合意した内容に基づく遺産分割協議書の作成をサポートしています。
「話し合いは終わっているけれど、自分で作った協議書で問題ないか分からない」「財産がいくつかあり、どう書けばよいか迷っている」といった場合も、現在の状況から整理してみましょう。
よくあるご質問
Q1.遺産分割協議書には決まった書式がありますか?
全国共通の決まった用紙があるわけではありません。法務局も、遺産分割協議書は当事者が任意に作成する書類と案内しています。ただし、相続登記などに使用する場合は、手続に必要な事項を正確に記載する必要があります。
Q2.相続人が1人だけでも遺産分割協議書は必要ですか?
相続人が1人であれば、そもそも複数人による遺産分割協議はありません。不動産登記についても、法務局は相続人が1人の場合などには遺産分割協議書を作成しないケースを案内しています。
Q3.相続人のうち1人だけ署名してくれない場合でも作れますか?
遺産分割協議は相続人全員で行う手続です。そのため、全員の合意が成立していない状態で、合意済みの遺産分割協議書として完成させることはできません。話し合いに争いがある場合は、弁護士や家庭裁判所の手続を検討することになります。
Q4.行政書士にはどこまで頼めますか?
相続人間ですでに遺産分割の内容について合意している場合、行政書士へ遺産分割協議書の作成や、その前提となる戸籍・財産関係の調査を依頼することができます。一方、紛争中の交渉や相続登記、相続税申告は、それぞれ他の専門家の対応が必要です。
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